今週のお題「冬のスポーツ」
こんばんは。
お題があたらしくなったので、「わ~、なに書こうー?」とわくわくしております。
「寒いからこそアツいもの」と書いてあったので、「それは…読書だろう! 寒い日に、あたたかい部屋でぬくぬくとおこたに入って、みかんやコーヒーやお茶やお菓子をおともに、思う存分本を読む。最高だ! これを書くしかない!」と鼻息をあらくしていたのですが、お題のコーナーをくわしく見てみると、スポーツがテーマでした。
スポーツは、冬でもアツいけれど、わたしにとってはあまりアツくない…!
生まれも育ちも雪国ですが、スキーもスノーボードもやったことがありません。運動全般が苦手で、唯一できるのは水泳です。
「冬のスポーツ」でなにか書けるかしら…。
「今週のお題」にはできるかぎり挑戦したいのよね。ひとりで考えて書くと、どうしても話題がせまくなってしまうから、いろいろなテーマで書けるようになりたい。
洗いおわった洗濯物をカゴにとりこみながら考えてみると、ありました、ありました…! 超絶運動音痴なわたしだからこそ書ける「冬のスポーツ」が。
雪国にずっといながら、スキーもスノーボードも経験がないわたしですが、スケートは何回もやったことがあります。うちの近くにアイスリンクがあるので(冬以外はプールになる)、子どものころから何度も行っていました。家族と、友だちと、付き合っているころの夫と、たくさんすべりました。
しかし、不可解なことがひとつあります。
わたしのスケート能力がその日限りのもので、まったく上達しないことです。
スケート場に行きますよね? 最初はすべれない、氷の上に立つのがやっと。
時間がたつと、すこしずつですが、だんだんとすべれるようになる。手すりなしでもなんとか1周できるようになる。
ああ、やっとできるようになってきたー、たのしいねぇ。適宜休憩をはさみながらすべって、心地よい疲労を抱えて帰る。
そして、シーズン中にまたスケート場に行きますよね?
するとこれが、ふりだしにもどっているんですよ…!
おっかなびっくりですが、手すりなしですべるところまでできるようになったはずなのに、また立つのがやっとの状態からスタートすることになるのです。
こうして、いつまでたっても手すりから卒業できないわたしのことを、父は「手すりのそうじ屋さん」と呼びました。
そんなに時間がたっていないのに、なぜすぐに初期化される…?
わたしの長年の謎です(たぶん、運動音痴だからですよね)。
保育園に勤めているときの話です。
年長児は冬にスケート教室があり、引率の職員に選ばれました。「手すりのそうじ屋さん」と呼ばれつづける身ですから、子どもといっしょに行っても、子ども以上に迷惑をかけることが目に見えています。
子どもたちとスケート場に行くのは、主任の先生、年長児の担任、そしてわたしです。いちおう、主任の先生には、いっしょに行ってもなんの役にも立たない、むしろ大迷惑かもしれないことをちゃんと申し出ておきました。すると、明るくこう返ってきた。
「だいじょぶだこってーーー!(方言)」
いや、だいじょうぶじゃないんだこってー…。
スケート場に向かうバスの中は、子どもたちのよろこびと期待で、バスが浮くんじゃないかというほど盛り上がっていました。
スケート場に到着し、くつをはきかえます。子どもたちにはかせるのはすこし大変でしたが、ゆるゆるではあぶないので、きっちりとひもをしめます。
くつのはきかえがおわったとき、主任の先生からカメラを渡されました。
「あたしはくつ借りてないからさ。いお先生、カメラ係頼むわ」
ひえーーー! 自分のことさえできないかもしれないのに、撮影なんてもってのほかですよ…!
そう言いたかったのですが、カメラを受けとる以外の選択肢はありませんでした。
さあ、ここからが問題です。
頑丈そうなスケート靴をはいたわたしは、「もうあともどりできないわよ…」と、ふるえていました。
リンクサイドで準備運動をしたあと、インストラクターのお姉さんは笑顔で言った。「はーい、じゃあ、ハイハイでリンクの中心に集合~!!」
ええっ…! うそでしょう…。
わたしは手すりのそうじ屋さんなのよ…手すりがなかったら…手すりがなかったら…!(顔面蒼白)
目を白黒させながらなんとかリンクの中心に行くと、お姉さんはほがらかに言った。
「片方ずつ足を立てて、立ってみましょう!」
そんな高度な技はできませんよ…!
立てない子どもを手伝いつつ支えにして(いけない人…)、どうにか立ち上がった気がします。
「その場であしぶみしてみましょう!」
「ひざをすこし曲げて、両手をまっすぐ前に出して、トントントン(あしぶみ)スー(あしをそろえる)をくりかえして進んでみましょう!」
お姉さんからの難題はつづきます。
あやうし、手すりのプロ。
このつづきは、またあしたつづりたいと思います。