ぽくぽく日記

毎日のくらしをぽくぽくとさんぽするように味わいたい。

下界での水浴びは日帰り温泉みたいなものか?

 こんばんは。
 今回のお題で書きました「手すりのプロ」にたくさんの星をいただき、ほんとうにありがとうございます…! 星もそうですが、読んでいただいていることそれ自体が、とてつもなく大きなしあわせです。

「手すりのプロ 後編」は、かなりいそいで書いてしまったので、あまり納得がいっていない仕上がりです。前編・中編が満足いく文章かというと、そうではないのですが…。
「これはお伝えしたい!」と思うようなできごとって、頭のなかで考えているときはすごくおもしろいことのような気がするのに、いざ文章にしてみると「あれ、こんなんじゃないのにな…」と首をかしげたくなることがけっこうあります。もっとおもしろいことのはずなのに、そのまま表現できないのがくやしい。いろいろなことを感じたとおりに表現できるようになることが目標です。

 

 今日、ちくちくと手芸をしながら「まんが日本昔ばなし」を見ました。
 いくつかのお話を見たのですが、「七夕さま」が印象にのこりました。
 うろおぼえの七夕の物語とすこしちがったお話でした。

 

 ひとり者のほうろく売りの男が、水辺で美しい女たちが水浴びしているのを目にします。木の枝には女たちの着物がかかっていて、それがとてもきれいで、なんとも言えぬいい香りをはなっています。男はがまんができず、着物をぬすんでしまいます。
 着物が見当たらず、天へ帰れない女(天女)を見かけた男は、「帰れないのなら、おれの嫁になってくれないか」とうちへ連れて帰ります。男はとてもやさしかったので、天女は男のことが好きになり、子どもも生まれてしあわせにくらしていました。
 ある日、なにかが天井にぶらさがっているのを見つけた天女は、それが自分の羽衣だと気づいてしまいます。羽衣を見つけたからには天へ帰らないわけにはいかず、子どもを抱いて天へのぼっていきます。

 

 まず、「ほうろく」ってなんだ? と思いました。絵はなにやら茶色いもので、説明はなかったので辞書をひいてみると「素焼きの浅い土鍋。茶・塩・穀物などを炒るのに用いる」とありました。これであっているかしら。茶色かったし、平たい感じだったから、たぶんこれね。
 愛する女房と子どもに去られ、年に一度しか会えなくなった男はそれはそれはかなしいと思います。けれど、男はそもそものぞきに盗みに誘拐に、いろいろと罪をかさねていますが、そこはノータッチなのか…? と気になりました。まあ、そうであるから、天の国の義理の父母の怒りにふれて、年に一度しか会えなくなるわけですが…。
 昔話はおおまかな筋は同じでも、設定が微妙にちがう話がありますよね。このパターンの七夕さまでは、年に一度しか会えなくなったかなしみよりも、愛する人がうらむべき人でもあるところにかなしみを感じました。『名探偵コナン』でも、そんなお話がありますよね。火事から救ってくれた命の恩人が実は火事を起こした犯人で、でも心から好きになってしまった女の人が起こした事件。愛とは、昔も今も、複雑なものですね。

※太字は「まんが日本昔ばなし 七夕さま」からの引用です。