ぽくぽく日記

毎日のくらしをぽくぽくとさんぽするように味わいたい。

夫がこのままブログを読まないことをねがう

 こんばんは。
 母がこの間送ってくれた、きいろいみかんを食べながらつづっております。小春という名前のみかんだったかしら…。甘酸っぱくて、みずみずしくて、とてもおいしい。このみかんを食べると、ああ、春だなぁと思います。

 

 読んではいないけれど、わたしがブログをやっていることを知っている夫から、ネタの提供がありました。

 タッパーのふたを拭いていた夫は、思い出したように言いました。
「テレビカメラが寒いところからあったかいところに移ったとき、レンズがくもるじゃない? それを、きゅっきゅと拭く映像がたまに流れるでしょ。おれ、あれが好きなのよ~。デジタルのなかのアナログさがいいっていうか。人によって、どう拭くか、どれくらいの頻度で拭くかちがって、それもおもしろい。今日の朝のニュースの人は、ちょっと下手だったなー」

 ということがおとといくらいにありました。
 それをブログに書くのはどう?と。目のつけどころが独特なおれのことを書くのはどうだい、と。

 夫よ。
 たしかに、わたしにそんな視点はなかった。くもった映像を見ても「ボアボアしてる」くらいしか思っていない。そんなところを見ているのか、おもしろいなとは思った。

 けれど、わたしが書きたいと思う夫ではなかったのですよ。
 わたしが書きたいのは、出会った当初からところかまわずブーコラブーコラおならをしたり、甘いもの(とくにクレープと生クリーム系)が大好きなのに「男がクレープ屋にならぶなんて…!」と変にかっこつけたり、埋没していた5センチくらいのヒゲがあごから出てきて仰天していたり、かわいらしいぬいぐるみの手足をあやつるのが妙に上手だったり、そんな自然体のあなたなんですよ。レンズのくもりの件も自然な夫だとは思いますが、パンチがないというか…(おれはそんなにアクの強い人じゃないよ!by夫)。

 せっかくなのでレンズのくもりの件を書きましたが、夫よ、安心してください。自ら提供しなくても、あなたはネタの宝庫です。

 

 美容室に行って髪をきれいにしてもらったら、彼や夫に気づいてほしいという女性は多いそうですね。今日、ほうほうと読んでいたブログにも、そのような記事がありました。
 わたしは、夫がほめてくれればうれしいですが、気づかなくてもいっこうにかまいません。すてきになった自分の髪を鏡で見て、「ふふふーん」と上機嫌になれます。母も同じタイプです。
 でも、気づいてくれなきゃいや! という方もいますよね。
 引っ越す前に通っていた美容室のおねえさんはまさにそのタイプでした。職業柄なのかもともとなのか、おしゃべりがとまらない方で、「腰まであった髪をバッサリ切ってショートにしたのに、全然気づいてくれなかった彼氏の話」を滝のようないきおいで語ってくれました。

 さあ、わが夫です。
 気づかれなくてもかまわないわたしとは対照的に、夫はぜったいに気づいてほしい人です。そしてほめてほしい人です。
 
 夫は、長らく激安カットの店(カットのみ。1000円くらい)に通い、ツーブロックに仕上げてもらっていました。わたしはそのツーブロックをひそかにカッパみたいだと思っていました。
 デートのとき髪を切っていたら、自分から「さっぱりしたの~!」と報告してくれます。わたしは少々こまった。髪型は本人の自由だけど、もっとましなやつがあるんじゃないか。カットのみの安いお店でツーブロックをたのむのは危険なんじゃないか。
 でも、いつもそんなことばは飲みこんで、「いいじゃなーい!」とあいまいにほめていました。

 結婚して、夫も美容室に通うようになりました。ツーブロックよりはるかに似合うすてきな髪型にしてもらっています。
 ある日、夫はこれまでの自分をふりかえった。
「おれがしてたあのツーブロックって、カッパみたいっだったよねぇ」
 …! 自分でも気づいていたのか…。だったらなぜ…。
 でも、髪型ってむずかしいですからねぇ。あのときのツーブロックは、あのときのベストだったのでしょう。たぶん。

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あのときは、ほんとうにびっくりした。びっくりしたあと、ひたすら笑った。