ぽくぽく日記

毎日のくらしをぽくぽくとさんぽするように味わいたい。

思いもよらぬ武器

 こんばんは。
 きのう、ブロックの豚バラ肉を買ったので、甘辛く煮ています。うすく切ってチャーシューみたいにして、ラーメンにのせようかなと。ブロック肉って、最初は平たいんですけど、だんだんそってくるんですよね。そらないためのタコ糸なのでしょうか。今度はタコ糸でしばってから煮てみようかしら。

 

 わたしは手芸が好きなのですが、そのおともに欠かせないのがコーヒーやお茶と、おなかがちょっとすいていたらおいしいお菓子と、そしてアニメや映画です。
あたしンち」「名探偵コナン」「(昔の)サザエさん」が定番で、「男はつらいよ」も観直したいと思っています。
 最近観ているのが「まんが日本昔ばなし」です。あの声がなんとも和みます。ふたりとは思えない声の幅の広さで、それぞれの登場人物にぴったり合っています。小さいころよく観ていた「まんが日本昔ばなし」にふたたび魅了されているのです。

 きのう観た「山んばの嫁さん」という作品がとてもおもしろかったので、そのことについてつづりたいと思います。話のあらすじを引用しますので、この作品をこれから観ようという方は以下の文章は読まないでいただけたらさいわいです。

 

 ひとり身のおじいさんのところへ山んばが「嫁にしてほしい」とやってきました。山んばの体は大きく顔はおそろしく、絶対に断りたいおじいさんでしたが、断ったら何をされるかわからないので、渋々了解しました。
 いっしょに暮らしてみると、山んばのつくるごはんはおいしく、おじいさんは山んばの嫁さんもなかなかいいなと思いはじめました。しかし、自分が働きに出ている間に、大量に米を炊いてとんでもなく大きなおむすびをつくり、むしゃむしゃと食べているという現場を目撃して、やはり山に帰ってもらおうと決意します。
 おそるおそる山んばに伝えると、意外とあっさり受け入れた。しかし、山んばは大きなかごの中におじいさんを押し込め、山へもどっていきました。

 

 ここまでの流れは、昔話によくある感じだと思います。
 おもしろいなと思ったのは、「ごはんがおいしいから、山んばの嫁さんもわるくない」とおじいさんがまんざらでもない様子だったことです。胃袋をつかまれた的な状況でしょうか。おいしいごはんは、山んばのおそろしささえも許容させる力がある。
 さて、このお話のポイントはここからです。

 

 歩きつかれた山んばが木の根元で休んでいるとき、おじいさんはそーーーっとかごから逃げ出して木に登りました。山んばは、おじいさんがもう入っていないとは知らず、またかごを背負って歩いていきます。
 山んばは自分の子どもたちを呼び、おみやげだよとかごを開けると、中に入っているはずのおじいさんがいません。怒った山んばは子どもたちといっしょにおじいさんを探しに走っていきます。
 木の上でふるえるおじいさんを見つけた山んばは、にわかに着物をはだけておちちを出し、「おちちがあれば」と舌なめずり。なんと、山んばはおちちをのこぎりのようにして木を切りはじめた。しかし、おじいさんの念じた言葉により、おちちはふたつとも切れてしまい、あまりのいたさに山んばは山奥へ逃げ帰ったのでした。

 

 わたしは、おちちが出てきたときから、ずっと笑いっぱなしでおなかがいたいほどでした。
 山んばの胸元がアップになり「これは、まさか」と思った瞬間、ぼろん!と惜しげもなくおちちが出てきました。この、あっぱれな潔さにまず爆笑です。ふたつのおちちを手にそれぞれ持って、打ち合うと「シャキーン、シャキーン!」と刃物の音が鳴りひびき、のこぎりで切るかのごとく木を切っていく。なんておちちなの…!おどろきが恐怖を通り越し、爆笑へと変わりました。
 山んばの武器が鋭い歯や怪力などではなく、おちちだったことがなんともツボです。
 切れたおちちの様子は、なんとも衝撃的で、山んばのいたさが伝わってくるようでした。

 笑いが落ち着いてからこのお話をふりかえると、いろいろと考えることがありました。「山んばの嫁さん」について、明日もつづりたいと思います。

※太字は「まんが日本昔ばなし 山んばの嫁さん」からの引用です。