ぽくぽく日記

毎日のくらしをぽくぽくとさんぽするように味わいたい。

達筆な母

 こんばんは。あさかいおです。
 ワクチン接種してから約2日たちました。

 わたしは副反応が軽くて、かぜが治りかけているときのようなだるさと腕のいたみだけですみました。
 でも、起きているのはちょっとしんどかったので、ごーごーと寝ていました。いくら昼寝が好きといっても、お昼ごはんのあと6時間も寝ないので、それくらい寝られたからやっぱり本調子でなかったのだなあ、うんうん、と納得しました。
 これから3回めの接種を受けられる方がいらっしゃいましたら、無理をなさらず、十分にお休みになって、元気な状態をとりもどせることをねがいます。

 

 最近、付け焼き刃ながら、筆ペンで字を書く練習をしております。結婚式の招待状の宛名を書くためです。
 筆を使うとき(といっても今回は筆ペンですが)、頭に浮かぶのは母の字です。
 娘のわたしが言うのもなんですが、母の字はかなり上手です。子どものころ習字を習っていたそうですし、もともとの字もきれいなのでしょう。
 小学生の冬休みの書き初めは、毎年母が教えてくれました。わたしの字はとうてい母には及びませんが、われながら上手に書けたと思える字を書くことができました。

 

 何年か前、父が町内会で会計の係をしていたのですね。
 町内のお祭りのとき、ご祝儀袋に「玉串料」と書くことになりました。父は「じゃあ、おねがいします」と袋を母に渡し、ごろんと横になってたばこを吸いはじめた。
「もう~、わたしだって、そんなに上手じゃないのにー!」
 母は謙遜しました。
 裏紙でちょっと練習したあと、ご祝儀袋に書いた母。玉は漢字、串はひらがなで書くことにしたようです。
「きゃー、上手ーーー!」
「いおちゃん、上手じゃないって! こんなん、申し訳ないくらいだわ!」
 さらに謙遜をかさねる母。
 そのうちに父がむっくりと起き上がりました。
「ほら、お父さん、上手だよね!」
 わたしは父に同意を求めると、予想外の返事でした。
「うーん、こりゃだめだなあ」
「えええ! どうして!?」
 父は習字が大の苦手で、学校では文鎮に墨をぬりたくって半紙に押して遊んでいたという強者です。そんな伝説を持つ父が、超達筆な母の「玉ぐし料」を否定するなんて!
「よく見てみて」
 父はぼそりと言いました。
 母とわたしは、完成したご祝儀袋をじっと見つめました。
「こりゃ、『ぐしぐし料』じゃないか?」
 袋には、ものすごくきれいな字で、「串ぐし料」と書いてあったのです。
 これには母も大笑い。わたしも、母に申し訳ないと思いながらも、笑いをこらえることができませんでした。

 

 これが、弘法にも筆の誤りってやつですかねぇ。
「そんなんじゃないでしょー!」という母の声が聞こえてきそうです。